当時俺は姉ちゃんが大好きだった。美人で明るくて、ものすごく優しい姉。そんな姉ちゃんが小学校の先生を目指してた頃、俺が通う小学校に教育実習生としてやって来た!事前に何も教えてくれてなかったから、全校集会で姉が挨拶した時は、心臓が飛び出る位ビックリした。珍しい苗字だから、みんなざわざわして俺の顔見てた。
教育実習は自分が出身の学校に行くのが定番だったらしい。家に帰ってから、
俺「何で教えてくれ無かったの?」
姉「へへっ。ビックリさせようと思ってね。」
俺「すげぇビックリしたよ!姉ちゃん、学校で俺のこと呼ばないでよ!」
姉「分かった、分かった(笑)」
次の日。廊下を歩いてたら、向こうの方に姉ちゃんが見えて、
姉「あっ!たかちゃ〜ん!」
俺「バカバカ!静かにしろ!」
友達「えっ!あれお前の姉ちゃんだったの?」
もー最悪。
そんな大好きな姉が結婚することになった。お相手はとっても優しいいい人だ。結婚式の日取りが決まり、忙しそうにする姉ちゃん。何か姉ちゃんが取られてしまうような、少しだけ寂しい気持ちになったけど、お祝いする気持ちの方が大きかった。
結婚式当日はカメラマンをお願いされた。大好きな姉ちゃんの晴れ姿を頑張ってパシャパシャ撮ってた。式が進行して行き、姉の感謝の手紙の朗読になった。父ちゃん、母ちゃんへの感謝の言葉が送られ、父ちゃん達もとても嬉しそうだった。手紙の中に俺へのメッセージもあった。何か今までの思い出がどっと溢れてきて、その場に崩れ落ち俺は泣いてしまった。
そんな姉も今は長野県に移り住み、先生では無いけれど、違う仕事をして忙しいながらも幸せな毎日を送っています。