最近、また新人を預かることになった。
同い歳の53歳。
前回の30代の新人の時の反省を活かし、今度は声を荒げずに教えていきたい。
そのためにどうすればいいのか自分なりに考えてみた。相手はタメだ。似ているところもあるかも知れない。そう思い、まずは観察してみることにした。
新聞配送の仕事でトラックを運転していたらしい。とりあえず運転させてみた。
「うん。運転に関しては問題ないね。」
次はアイテムの覚え方だ。ひとまず今まで通り教えてみた。すると、積み込みを終えて出発しようとしたが、どうも様子がおかしい。
「どうかしたの?」
「いやぁ、頭がクラクラしちゃって。」
「大丈夫?」
「はい、もう落ち着きましたので。」
やっぱり今まで通りじゃダメだ。どうにかしないと・・・
自宅に戻り、考えた。
何時間も考えた。
やっと答えが出た。
そして次の日。
「あれから色々考えたんだけど、とりあえず今日は1つのブランドだけ覚えることにしよう。その他のことは一切覚えないでいいから。それなら出来そうかな?」
「そうですね。それなら大丈夫です。」
教えたのは1つのブランドだけ。後の積み込み方法やら、店舗での納品方法やらは全て一緒に作業した。それも楽しく。
一見遠回りに見えるかもしれない。でも一緒に作業することで、身体は動かすことになる。ルート配送は毎日同じ事の繰り返しだ。つまり、アレコレ教えずとも身体が覚えてしまうはずだと考えたわけだ。
その後に社内でトラブルが続出し、新人教育は一旦中止になってしまったが、今回のことである種の答えにたどり着いた気がした。
詰め込み教育が向いてる奴だっているだろう。だけど、向いてない奴だっている。どんな教え方にするかは新人を観察して、オーダーメイドな教育プランを立てることがとても重要だと思った。
また一つ成長出来た。