今日は葬式の話。
例えばあなたのお父さんが大病で入院している。治療の甲斐なく虫の息だ。
そうすると、1本の電話が掛けられる。
「ああ、〇〇病院だけど、505号室の△△さん、そろそろだと思うよ。」
「わかりました。準備しておきます。」
これは病院と葬儀社のやり取り。実は病院は葬儀社と提携関係にある。
病院は死んだら一刻も早くベッドを空けて、入院患者を入れたい。
葬儀社は死んだ人間の情報が一刻も早く欲しい。
利害が一致しているのだ。
「ご臨終です。」の言葉から、病院を後にするまでの時間はものすごく短い。
ここで、「はい。じゃあよろしく。」と再度葬儀社へ電話のやり取りがある。
葬儀社は簡易布団、ストレッチャー、お焼香セットの装備で病院へ向かう。
その間に、遺体は霊安室に移される。
葬儀社が病院に到着すると、長い長い夜の始まりだ。ここからは判断の連続だ。
まず葬儀社は、自宅に運ぶのか?葬儀社の施設に運ぶのかを聞いてくる。
今回は自宅にしておこう。自宅に着いて、お線香を全員が上げ終わったら、真っ先に式の日取りを聞いてくる。これは、火葬場が予約制で、いち早く抑えないとどんどん後回しになってしまうためだ。これは仕方がない。
火葬場に予約が取れたら、葬儀、告別式の日取りが決まる。この後、業者によって大きく対応が異なる。例えば今が深夜1時。ある業者は
「今日は大変でしたね。細かいことは明日決めましょう。」
またある業者は
「それでは、まず式場から決めて行きましょう。」
と分かれることだろう。
式場、祭壇、棺桶、骨壷、1から10まで全て決めさせる業者だって珍しくない。
病気である程度覚悟があったならともかく、突然の事故死の場合だったら、心労でまともな判断なんて出来ないだろう。
式自体は絶対にやった方がいい。豪華にするとかしないとかはどうでもよくて、火葬後のことを考えると、やった場合と家族だけで済ませた場合では全く大変さが違う。
葬儀告別式をやった場合
別れを惜しむ方がたくさん来てくれる。2日間あるので、参加もしやすいし、
お金もそこそこ集まる。また、香典返しもその場で渡すので、2日で全て完結。
家族だけで火葬のみで済ませた場合
訃報を聞きつけたご近所や知人がひっきりなしに来訪し、その度にお茶や、お茶菓子を準備して対応しなければならない。また、それが何日で終わるのか分からない。香典を渡されることも多々あるので、その都度、お返しを考えなければならない。
式を豪華にやるとかポイントはそこじゃない。規模はともかく、葬式をやった事実が重要だ。あとは、いかに事前にいろいろ相談出来る、良心的な葬儀屋を見つけられるかにかかっている。金額があってないようなものなので、ぜひ、事前に納得できる金額を提示する業者を見つけて欲しい。