トラックドライバーのつぶやき

配送に関することや言いたいこと何でもあり

キャバ嬢は営業マン?営業マン編

ここに1人の営業マンがいる。吉本商事の浜田。29歳。彼はとある精密機械の営業マンだ。社内ロープレの成績は優秀だ。商品説明も抜群に上手い。しかし、契約がなかなか取れず悩んでいた。そこで営業成績トップの松本の商談に同行したいと上司に申し入れた。

「俺の商談なんて参考になるかなぁ。」

と言う松本について行く。向かった先はマセキ商会。

松本「10:00に出川部長とお約束しております松本と申します。」

受付「3階の商談室へどうぞ。」

 

出川部長「松ちゃん、久しぶりじゃないの!」

松本「ご無沙汰してすみません。早速なんですけどこの前の休みに部長の言ってたキャンプ場行ってきましたよ!最高ですねあそこは。」

出川部長「でしょ!川も近いしさぁ、釣りはやった?」

松本「そうそう、それなんですけどね・・・」

 

おいおい、何だこれ。これって商談か?ただの雑談じゃねえか。かれこれ20分はこんな話してんぞ。

松本「あっ、そういえば陽子ちゃん、プリキュア好きだったでしょ?この前たまたま寄った100均で見つけたんですけど、良かったらこれどうぞ!」

出川部長「なんだよ悪いね気ぃ遣わせちゃって。」

松本「いや気は遣って無いですよ。お金使っただけで。」

2人大爆笑!

いやいや、商談は?

出川部長「今日は何?何か持ってきたの?」

松本「そうそう、部長A社の機械、スイッチの位置が悪いって言ってたじゃないですか?今回ウチが出した新製品はその点を解消してるんですよ。」

出川部長「ホントだ。いい位置にあるね。何か全体的にコンパクトだし。投入口もよく考えてあるね。これなら導入するかもしれないから稟議にかけてみるよ。上手く行けば6台はいけるんじゃないかな。」

松本「ホントですか?ありがとうございます。」

 

スゲエ!マジか!商品説明なんかほとんどしてないぞ。なのに6台ってどういうこと?

 

浜田「あれが商談って言えるんですか?」

松本「でもさ、商品説明だけしてたって面白くないじゃない。最初はあの人、仏頂面でコッチの話もうわの空だったんだよ。だから、徹底的にあの人を研究してキャンプが趣味とか、娘の事とか情報集めてジワジワ攻めたんだよ。」

俺は言葉を失った。俺は商品説明に終始して、担当者とコミュニケーションを取ろうなんて考えもしなかった。相手の懐に入るってのはこういう事なんだと思い知った。