長男が生まれたのが3月3日。事前に男の子だとわかっていたので、女の子の節句であるひな祭りを避けたかった妻だったが、2日の深夜に陣痛が始まり、結局3日に生まれた。元気な男の子だったので、その嬉しさが勝り、その後は何とも思わなくなった。成長した長男に聞いたことがあったが、本人も何とも思わなかったそうだ。
うちの夫婦は2人とも音楽の才能など皆無だったが、小学校の時、
長男「今度の合唱コンクールの時、ドラムをやることになったよ。」
俺と妻「はっ?ドラム?何で?」
長男によると、校内にあるドラムを何度か叩いているうちに面白くなり、音楽の先生が、
先生「W君、今度の合唱コンクールの最後の全体合唱の時にドラムやってみない?」
そう、観覧に来た保護者向けに全体で合唱を披露するプログラムがあったのだ。
当日、長男のドラムを叩く姿を見てビックリ!小学生なのでめちゃくちゃ上手いって言うわけじゃ無かったが、ちゃんと叩けていた。夫婦の両家共、音楽関連の才能なんて皆無だったので本当にびっくりした。大学生になった今も続けていて、素人目でも上手いなあって思う腕前だ。
次男が生まれたのは6月6日。予定日を聞かされた妻は憂鬱そうに俺に報告した。そう、若い方は知らないと思うが、「オーメン」という悪魔の子の映画があって、その悪魔の子の誕生日が6月6日6時だったのだ。まあ、予定日なんて変わることもあるからなんてたかをくくっていたが、結局6日に生まれた。今度も元気な男の子。落ち込むかと思われた妻が何か嬉しそうにしていたので、
俺「何かいいことあった?」
妻「あのね。斎藤くんと同じ誕生日なの。」
斎藤くんというのは当時、高校野球で一躍有名になったハンカチ王子こと斎藤佑樹選手のことだ。相変わらずのミーハーぶりに思わず笑ってしまった。
そう、妻の好きなのは「キムタク」「岡田准一」などのいわゆるジャニーズ系。たまたま長男の通う幼稚園がキムタク演じるドラマ「エンジン」の舞台になり、必死に見学に行くほどのミーハーだ。ある時、深夜に近所を車で走っていたら、
妻「ちょっと、あれドラマに出てくるバスじゃない?ちょっと追っかけて。」
なんてこともあった。
次男が生まれて、しばらくして次男の行動を見ていると、何か違和感に気づいた。
俺「あれ、この子もしかしてサウスポーじゃない?」
妻「どれどれ。あっ、ホントだ。これは間違いないね。」
俺「スポーツなんかにはいいよね!」
とはいえ、妻の親父さんに食事と、書物は右に矯正された。
サウスポーもやはり、俺たちの知る範囲にはいない。本当に不思議だ。
俺の死んだ親父の誕生日は5月5日。本当に不思議なめぐり合わせだ。