皆さんのお住まいの地域には町内会はありますか?
うちの地域は、古い住宅街の町内会に、新しい住宅街が加盟する形で大きくなった。
大きいと言っても所詮、130世帯規模の小規模町内会。企業もない。
班長決めをすることになり、年度中途なので期間が短くて済むという理由でウチが立候補した。ここから21年連続役員をやることになる。
当時の会長は強権政治の独裁者。恐怖政治で周りを締め付けていた。しかし、それなりに評価され、役員に留まった。
次の会長は、顔が広く一目を置かれていた人物。当時自分はイベント関連の責任者だった。ある日、秋のイベントの企画を進めていた時のこと。会長がウチに怒鳴り込んできた。
「何だこれは!俺は何も聞いてねえぞ!なに勝手に進めてんだ!」
怒鳴り声を聞きつけた近所の奥さんが
「会長、違うんです。これはかくかくしかじか・・・。」
「何だ、そういうことなの?」
それ以来、この人からは絶大な信頼を得て、今では一番の俺の理解者。
イベントを取りまとめるのは本当に大変。何しろ、周りは全て年長者。意見をまとめるのがまあ大変。でも、なんとかまとめて、動いて貰わなければならない。正直、夏祭りの数カ月は毎日寝不足。現役世代のやることじゃない。
「あれは用意してあったかな?」
「誰があの役割担当だったっけ?」
「これを印刷して、チラシ、ポスター作って。」
目の回る忙しさとはこのことだ。
次の会長は現会長。とても穏やかな方。もうこの頃は、町内会の中心人物になっていた。ずーーーっとイベントの責任者。幹部に名前が欲しいからと、会計監査役も兼任。
夏祭りは毎年大変だったが、何とかこなしていた。
しかし、コロナ禍になり当然中止に。中止が3年続いたところで、ついに祭りの廃止を決めた。理由は高齢化。無理もない。130世帯規模の町内会、祭りのスタッフ集めだってとてつもなく大変だ。内容もこの規模の町内会がやれる限界をとうに超えていた。炎天下の中、1日中作業しなければならない。流石に限界と判断し、皆の了解を得た。
最近若い方に
「えっ!町内会ってまだあるんですか?」
と言われてしまった。確かに、都会ではもう絶滅危惧種なのだろう。町内会の役員なんて誰もやりたがらない。メンツもほぼ固定だ。まして現役世代なんて余計にやらないのが当たり前だろう。では、なぜ自分は役員をやり続けているのか?それは、会社組織以外の全く違う組織に自分を置くことで、仕事とは全く違う側面の自分を成長させることが出来るから。
前述したが、何しろ周りは全て年長者。この連中を動かすのは一筋縄ではいかない。なだめて、すかして、根回しをして。こんな経験、仕事じゃ絶対に出来ない。いわば貴重な人生経験なのだ。これを経験できないなんて、もったいなさすぎる。ただでさえ、今は核家族化。年寄と関わる機会なんて殆ど無い。そんな理由で、21年も役員をやり続けている。
将来、会長に担がれそうで今はビクビクしている。(笑)